Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
ムズと髪の根をつかみにかかるのを、日傘で払うと、その日傘を引ったくられて、力まかせに打ちのめされた。
牡丹崩れにうッ伏したお米の手には、いつか匕首らしい光りもの。
「よくも――、ちイッ……」と死にものぐるい、迂濶にのしかかった宅助の毛脛へ、芒の葉で切ったほどな痕をつけた。
一方。
高津の上の舞台では、
「や……やや……」と旅川周馬が、しきりに遠眼鏡から宅助の居所をのぞいて、
「ウーム、これは面白い。宅助のやつ、あはははは、なんだあのざまは、女ひとりを持てあまして」
ひとりで興に入っている。
「お十夜はどうした?」
つまらぬ暇つぶしにしびれをきらして、天堂一角は苦虫を噛んでいたが、つい周馬の独り言に誘われて、側からこうたずねだした。
「お十夜? ……どうしたのか、かれの姿は見当らない。どうせ、例の癖で、ふところ手のぶらぶら歩きで行ったのだろう。ア、ア、ア……そのうちには、どっちかかたがついてしまいそうだ。女も死にものぐるいになると、あなどれぬ力がある。お千絵様でもそうだった。ましてや宅助、ヘタをやると始末に困るぞ」
「どれ、貸したまえ」
「見たまえ、あれだ」
「ウ、なるほど、お米に違いない、しかし、川長にいた頃は、あんなすごい女ではなかったが」