Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
「どっちへ行ったろう?」
「そいつは気がつかなかったが、いずれ、この屋敷を出て行くからには、春日道か新堀の渡舟へ出るにきまっている」
「なるほど、で、服装は? 年頃は」と仔細を聞いて、あたふたと通用門の潜りから飛びだした。
使屋の服装は目につくので、七、八丁行くと追いついた。その男に、この手紙はどこの家から頼まれたかと聞くと、松島の水茶屋に休んでいる年頃の女で、返事はいらないといったが、まだ駄賃は貰ってないから、私の帰るまでは奥にいるでしょうということだった。
宅助は使屋と一緒に渡舟へ乗った。
渡舟の中でかれはまた、
「待てよ、こいつが何かの策じゃねえかしら」
と、考えなおしてみた。
だがお米の平常を思うと、血の病を起こして泣いたり、わがままをいって飛びだしたり、平気で帰ったりすることは、阿波にいた頃からありがちで、それに、こんな手紙をよこして、こっちを計る必要が考えられない。
「もう逃げているんだからなア――」
ゆるく体を動かされながら顎をおさえた。
自分は外に待っていて、その使いに、言づてをした。
水茶屋へ入って行った使屋の男は、しばらくして、宅助の所へ帰ってきたが、