Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

「一言知らせておきたいが」

「そうですね……さだめし気を腐らしておりましょう」

「事情を知ったらびっくりするぞ」

「幽霊かと思うかもしれませんね」

「なにしろ、無駄な心配をさせておくのは気の毒、それに……」

「シッ」と手を振られて口をつぐむ。

「誰か起きている者があります。向うに人影が」

「では、後にしようか」

「…………」うなずいて、身を隠そうとした時、髪をくるんでいた手拭が、サッと風に飛んで、女の白い顔が凄艶にむきだされた。

「あら……」

と吹かるる髪をおさえたのは、まぎれもないお綱であった。

とすれば、仲間にやつした一方の者は、無論法月弦之丞でなければならない。

ふたりは健在である。

天神の船待小屋までは、あのつづらに身をひそめていたが、じっと中から埋地の空気を察していると、どうやらそこの安全でないのを感じた。すると、その荷つづらによりかかって、痴話狂っている男女があった。お米をもてあそぶ宅助であった。宅助を操っているお米であった。弦之丞は前からの約束もあるので、お米に、つづらの中へ入れ代って貰おうと思った。まさか、アア無残な結果になろうとは予測せずに――、そして都合の悪い宅助をまず、不意につづらの中から刺したのである。