Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

で、頼み主はと台帳を見て貰うと、海部の日和佐の宿、大勘という棟梁の名になっています」

「ふム、そして?」

「頼み人の名に偽りのないことは、品物が大事な金目のものだけに、まあ、嘘はないと見ておきました。それに日和佐の宿あたりには、それ程の刀を研ぐ腕の研師はありますまいから、わざわざ徳島の城下まで持ってきたに違いありません。ことに、その刀もただの研ではなく、潮水浸しになったのを、鞘、柄糸、拭上げまですっかり手入れをしなおしたもので、宗理の手もとでも五十日ほどかかったという話。――指を繰ってみると、ちょうど沼島沖で四国屋の船が暴風をくった日から四、五日後に持ちこんだ勘定になるンです」

「なるほど」

と、角兵衛もうなずいたが、

「だが、それだけの事実を押して、双腰の刀を、弦之丞の持物であると断じるのは早計ではないか」

「そこにゃ、動かない証拠があるンです。というなあ、無銘の方の小柄には、弦之丞の印と聞いた三日月紋の切銘があり、もう一腰の新藤五の古い鞘には、甲賀世阿弥という細字が沈金彫に埋めこんでありました。で、もうこれ以上の詮索は無用でしょう。すぐに使いの男をつけて、その場から日和佐へ突ッ走ってもいいところですが、大事を取って一応ご相談に上がったわけです」