Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

「ふたり?」

「エエ、ふたりです。しかも、頭から酒菰をかぶって、まるで乞食のような風態をしているのに、親方はばかに親切に世話をしていました。すると、てめえはあっちへ行って寝ろといわれたので、そのまま、母屋のほうへ戻りながら、井戸端で足を洗っているお菰を見ると、とても、白い足をしているんで、オヤ、とその時気がつきました。ひとりのほうは、ゾッとするようないい女、ひとりは五分月代の若い浪人者です」

しめた! と眼八は、腹の中で雀躍りしていた。

なお、さあらぬふうで、言葉巧みに聞き出してみると、その晩、ここへ泊った素姓の知れない男女は、翌朝、部屋の者が眼をさました時分には、もうどこかへ立ち去っていて、誰も知らないくらいであったという話。

「そうでしたか、それでおよその事情が分りました。イヤ、大きにありがとう」

眼八はていねいにこういってから、自分の振分を解いて、

「うるさいことをきいてすみませんが、ついでに、もうひとつお伺いしたいと存じますが……」荷物の中から取り出した渋紙の端をほごすと、コロコロと一本の鑿がころがりだした。

商売道具。

「平鑿だネ」

と、すぐに向うも目をつけた。