Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate

Aozora Bunko

「だが……待てよ、少し……」

半身埋まるような雑草の中に立って、重そうに死骸を抱きあげているらしい。

「……あっ、天堂だ、やっぱり天堂一角だぞ、この死骸は」

「そんな所で絶息していたか」

「オオ、来てみたまえ」

かれが、弦之丞の第一刃をあびたのは知っていたが、日没、木戸へも集まらなかったので、どうしたのかと思っていた際だ。

周馬とは江戸表以来、お十夜とは、ことに永い交際の仲。

かれはよく周馬やお十夜の安価な女色漁りを軽蔑して、討幕の挙の成功を信じ、事なるにおよんでは、何万石を夢みていた小なる光秀みたいな男だった。

悪友か善友かしらぬが、道中などでも、ふたりが痴話に更けているまン中の部屋で、ひとり猪八戒みたいな寝相をして、朝の鏡に目をこすり「わるい悪戯をしやあがる」と顔の墨汁をあらい落して怒らぬところもあった男だ。

まさか、捨ててはおけない。

「残念なことをした」

と、孫兵衛も飛んでいった。

「もう氷のようだ……」

悲壮な姿をして、周馬は、やっとのように死骸を前抱きにして、深い草むらを、ひと足ずつ跨いでくる。

「この断崖から落ちたのだな……」

「高いな」

と、周馬もふりあおいで、