Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
家の外へ出ないほうがようございます」
何かへ、一途になっている若い心に、無理な、逆らい立てをしてもよくあるまいと、世馴れたお吉は程よく足止めをしておいて、今日はそれとなく川長へ行った。そして、かの女の母にその始末を相談してみたのだけれど、お米の母は、大阪へ来ていながら、家へ帰らぬ娘の放埒に腹を立って、とりなしようもない怒りだった。そのくせ、ともすると、涙まじりになりながら――。
そんな者は子とは思わぬ、もう亡いものと諦める。という母親と、家へ帰るのは嫌だ、と駄々をこねている娘との間に立つ、お吉の心遣いは無意義に帰した。で、しかたがないから、当分は空いている中二階へ世話をしておいて、お米の駄々とわがままとに飽きる日を待つよりほかはないと、道々考えながら戻ってきた――今夜。
計らぬ悪侍が三人までも押しかけてきて、存分に家の中を荒して行った。しかもそれらの者は、阿波の浪人か家中らしく、良人の万吉の命や、法月弦之丞という者や、お綱とかいう女をつけ狙っている口ぶり。
「また出なおすぞ」
「きっと命をとりに来るぞ」
こんな、凄文句も、言い捨てて行った。
お吉も、女でこそあれ、目明しの女房、よっぽど、かれらのするままに任せまいとは思ったが、中二階には、やはり阿波の家中に事情をもつお米を匿まっているし、留守を預かる大事な女