Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
かなわぬ恋と知っていながら――なんという因果な女でござんしょう……」
やっと、膝を離れたが、またガックリとうつむいた襟脚が、夕顔のように、ほの白い。
二日月に隈どられた弦之丞の横顔は、鑿で彫ったように動かなかった。眉の毛も動かさないという態だった。なんという冷たい、無表情な顔だろう。
夕雲流の剣のごとく、また、今見る顔のごとく、この人の心もこんなに冷たいのかしら? ……と思ってみると、その動かない顔の鼻柱のわきを、ポロポロと流れてきた涙の条が、月明りに光ってみえた。
「もし、法月さん……」
自分に、与えられた涙を見ると、かの女は、もうそれだけで、限りないよろこびにふるえた。
「私が、女だてらに怖ろしい渡世をしていたことは、いつか、万吉さんからも話しました。また、私の口からも、幾度となく懺悔話をしてあります。けれど、もうお綱は、きれいに足を洗いました。そして、人並な女になりたいともがいているのでございます。……助けるとおもって、弦之丞様、どうか、お綱を、お綱を……」あとはいえずに、すがりついた。女が、男にすがる力は、ある場合に、命がけ以上である。
「――恥かしいのを抑えて、こうお願いするのでござんす。