Classici giapponesi con furigana
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とびとかきととり
鳶と柿と鶏
豊島 与志雄
Leggi 鳶と柿と鶏 (とびとかきととり) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.493 caratteri · 21 schermate
ただ雄鶏の方は、黒羽の上に少し首筋にかかってる赤羽が、金色に光って綺麗だった。
李はその鶏の囲いを開いて、鶏を呼びながら連れてきた。鶏は広い芝生のなかを少しかけ廻り、縁側のところまで来て、投げやられた柿の皮をつついたりした。
「鶏のうちで、シャモが一番いかもの食いです。」と李は吉村に説明してから、君枝の方へ云った。「毛虫、まだいますか。」
「そうね、いるかも知れないわ。」
庭の片脇の大きな椿の木へ行って、李はしきりに見上げていたが、やがて巧みに登っていった。
君枝も下駄をつっかけてその方へ行った。
「どう……。あぶないわよ。」
上の方でがさがさやっていたところから、ふいに声がした。
「それ、ほうりますよ。」
「いやあ、だめよ、だめよ。」
びっくりするような甲高い声をあげて、君枝は走って逃げた。逃げながら笑っていた。
ぱらぱらと、青葉のついてる小枝が落ちてきた。ちょっと静かになって、中程の大きな枝に、李はぶらりと両手でさがり、あ、あぶない、と叫んで君枝が胸を押えた時には、李はもう地面に飛びおりていた。
コッコッコッコ……呼ばれて鶏が走ってゆき、椿の葉について虫を食べてるのを、李は満足そうに、君枝は安心したように、眺めてるのだった。