Classici giapponesi con furigana
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おうがいのおもいで
鴎外の思い出
小金井 喜美子
Leggi 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) di 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 127.675 caratteri · 254 schermate
古い絹の裏地など、薄切れのしたのに継を当てて細かに刺すのです。年寄には軽くてよい、新しい金巾などは若い者のにするがよい、といって、決してお使いにはなりません。或時父がそれを見て、全く二重ですねえ、と目を見張らせます。まあ出来上りを見て下さいと、笑ってお出です。やがて張り上げると、すっぺりして立派になるのでした。昔から何に依らず質素にと心懸けて、物を粗末にはなさいません。
私は手紙にいろいろのことを書いては、西洋の兄へ出します。学校のこと、下宿のこと、その他さまざまです。間もなく便があって、下宿はやめるがよい、おばあ様にもお気の毒だし、女の子の下宿は好ましくない、というのです。ちょうど学期の終の時でしたから、引上げて千住へ帰りました。
これからどうして通わせようかということになりましたが、兄の出立後は、供をしていた与吉という車夫が父のになっていました。頑丈な男でしたが、年を取っており、無口で無愛想なので兄のお気に入りでした。人込だろうが、坂道だろうが、止めろ、と声を掛ければすぐ止めます。用事の外は口を開きません。それが素朴でいいとおっしゃいましたが、父の病家廻りのお供としては、先々では喜ばれませんかった。