Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

きりん

麒麟

谷崎 潤一郎

Leggi 麒麟 (きりん) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9040 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

「天にも地にも、うらゝかな光が泉のように流れて居るのに、何故私の国の民家では美しい花の色も見えず、快い鳥の声も聞えないのであろう。」

こう云って、公は不審の眉を顰めた。

「それは此の国の人民が、わが公の仁徳と、わが夫人の美容とを讃えるあまり、美しい花とあれば、悉く献上して宮殿の園生の牆に移し植え、国中の小鳥までが、一羽も残らず花の香を慕うて、園生のめぐりに集る為めでございます。」

と、君側に控えた宦者の雍渠が答えた。すると其の時、さびれた街の静かさを破って、霊台の下を過ぎる孔子の車の玉鑾が珊珊と鳴った。

「あの車に乗って通る者は誰であろう。あの男の額は尭に似て居る。あの男の目は舜に似て居る。あの男の項は皐陶に似て居る。肩は子産に類し、腰から下が禹に及ばぬこと三寸ばかりである。」

と、これも側に伺候して居た将軍の王孫賈が、驚きの眼を見張った。

「しかし、まあ彼の男は、何と云う悲しい顔をして居るのだろう。将軍、卿は物識だから、彼の男が何処から来たか、妾に教えてくれたがよい。」

こう云って、南子夫人は将軍を顧み、走り行く車の影を指した。

「私は若き頃、諸国を遍歴しましたが、周の史官を務めて居た老と云う男の他には、まだ彼れ程立派な相貌の男を見たことがありませぬ。