Classici giapponesi con furigana
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こうとう
黄灯
田中 貢太郎
Leggi 黄灯 (こうとう) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.262 caratteri · 21 schermate
門の前には一台の自動車が黄色な橙黄色の燈火を点けて横たわっていた。主翁は何人か見舞に来た客を待っている車だろうと思っていた。と、書生がその方へ歩いて往って中へ入った。書生の顔はもう自動車の中で黄いろな燈火の中に浮いていた。
「おい豆腐屋、今晩は世話になった、おかげで俺の敵は打った、まだ片割れは二人残っているが、それは三月か四月の後だ、しかし、その時は、別にお前の手を借りなくても好いから、心配しなくって好い、では別れよう、別れの印に、それ、お前に見せてやるものがあるぞ」
主翁は書生の右の手に眼をやった。その掌の上には伯爵の首が乗っていた。
自動車はすこしの音もなく動き出した。
主翁は倒れてしまった。
「気が注いた、気が注いた、気が注いた」
悲痛な女の喜び声を聞いて主翁は眼を開けた。女房が己の顔を覗き込んでいた。
「お前さん気がついたね、気もちはどうだね」
主翁は合点がいかなかった。主翁は眼をはっきり開けて四辺を見まわした。枕頭には心安い隣家の下駄屋の主翁や、荒物屋の主翁などが二三人坐っていた。
「ぜんたいどうしたんだ、俺には判らねえが」
「では、気もちが好いのだね」