Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうちょうのなげき

黄鳥の嘆き

甲賀 三郎

Leggi 黄鳥の嘆き (こうちょうのなげき) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.792 caratteri · 82 schermate

Aozora Bunko

「うん、朝子もそういうのだ。僕アもう五年ばかり会わんからなア」

重武は重行の父重和が芸者を妾にして生ませた子で、それだから、重行がひどく嫌うのだが、元からそう悪い人間ではなかった。重武は十一の年に認知されて、二川家に引取られたが、父の重和は間もなく死ぬし、引取られた時には重行はもう二十一で、始めから反感を持っていたし、重武の方にも僻みがあったし、それに何といっても行儀などは出来ていないので、召使までが蔭口をいうような有様で、重武を不良にしたのは、重行始め周囲のものの責任ともいえるのだ。

重武は十八の年にはもう女と酒を知って、身を持崩し、二川家を飛出して、それから兄の名を騙って、方々で金を借り倒し、危く刑法に触れる事まで仕出かして、二十の年に放浪の旅に出て、爾来三年間、時々兄に無心を吹きかけては、旅を続けているのだった。

重行はいい続けた。

「もうあれに勝手な事をされる心配もないし、許してやってもいゝとは思っているんだが、まア考えて置こう」

僕はそれ以上追及せずに帰って来た。

次の日記はそれから二三ヶ月経ったもので、野村は既に生れていたのである。

どうも二川の溺愛ぶりには恐れ入った。