Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
それよりこれを、いずこに住めりや、なんじ暗き音響――なんですがね」とデーメールの「沼の上」を引き出したが、相変らずセレナ夫人から視線を放そうとはしなかった。
「ああ、それではあの」とクリヴォフ夫人は、妙に臆したような云い方をして、「でも、よくマア、伸子さんが間違えて、朝の讃詠を二度繰り返したのを御存じですわね。実は、今朝あの方は一度、ダビデの詩篇九十一番のあの讃詠を弾いたのですが、昼の鎮魂楽の後には、火よ霰よ雪よ霧よ――を弾くはずだったのです」
「いや、僕は礼拝堂の内部の事を云っているのですよ」と法水は冷酷に突き放した。「実は、この事を知りたいのです。あの時、確かそこにあるは薔薇なり、その附近には鳥の声は絶えて響かず――でしたからね」
「それでは、薔薇乳香を焚いた事ですか」レヴェズ氏も妙にギコちない調子で、探るように相手を見やりながら、
「あれはオリガさんが、後半よほど過ぎてから一時演奏を中止して焚いたのですが、しかし、これでもう、滑稽な腹芸はやめて頂きましょう。儂どもは貴方から、人形の処置について伺えばよいのですから」
「とにかく明日まで考えさせて下さい」