Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate

Aozora Bunko

「あるいはそれが、過敏神経の所産にすぎないかもしれませんが、しかしともあれ貴女は、算哲博士のことをハートの王様と云われましたね。無論それからは、異様に触れてくる空気を感じたのです。何故かと云うと、ちょうどそれと寸分違わぬ言葉を、僕は伸子さんの口からも聴いたからでした。恐らく、その暗合には、この事件最後の切札とする価値があるでしょう。これまで僕等が辿っていった、推理測定の正統を、根柢から覆してしまうほどの怪物かもしれないのですよ。ことに、貴女の場合は、それに黙劇じみた心理作用が伴ったので、それに力を得て、なおいっそう深く、貴女の心像を抉り抜くことが出来たのでした。ところで、維納新心理派に云わせると、それを徴候発作と云うのですが、目的のない無意識運動を続けている間は、最も意識下のものが現われ易い――言を換えて云えば、人に知らせたくない、自分の心の奥底に蔵っておきたいものが、何かの形で外面の表出の中に現われるか、それとも、そこに何か暗示的な衝動を与えられると、それに伴った聯想的な反応が、往々言語の中にも現われることがあると云うのです。その暗示的衝動と云うのはほかでもない、算哲のことを、僕がスペードの王様と云ったことなんですよ。