Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate

Aozora Bunko

「それに法水君、仮令ばレヴェズが本開閉器を消し、それから僕等のしらない、秘密の通路を潜って、クリヴォフ夫人を刺したにしてもだ、だいたい、クニットリンゲンの魔法博士ファウストともあろうものが、何故最後の大見得を切らなかったのだろうか。あれほど芝居げたっぷりだった犯罪者の最後にしては、すべてがあまりにあっけないほど、サッパリしすぎているじゃないか」ととうてい解しきれないレヴェズの自殺心理が、検事をまったく昏迷の底に陥れてしまった。彼は狂わしげに法水を見て、「法水君、この自殺の奇異な点だけは、君が、十八番のストイック頌讃歌からショーペンハウエルまで持ち出してきても、恐らく説明はつかんと思うね。何故なら、目下犯人の戦闘状態たるや、完全に僕等を圧しているんだ。そこへもってきて、あまりに唐突な終局なんだ。ああ、憐れむべき萎縮じゃないか。どうして、この男の想像力が、あのサルヴィニ(表情演技の誇大な伊太利俳優の典型)張りの大芝居だけで、尽きてしまったとは信じられんよ。時の選択を誤らないためにか、それとも、誇らしげに死ぬためか……。いやいや、けっしてそのどっちでもないはずだ」