Classici giapponesi con furigana
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くろゆり
黒百合
泉 鏡花
Leggi 黒百合 (くろゆり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 78.148 caratteri · 154 schermate
まあ、こんな中に先刻にからござらせえたか。」
「今しがた。」
「暗いから、はや、なお耐りましねえ。いかなこッても、勝手が分らねえけりゃ、店の洋燈でも引外してござれば可いに。」
深切を叱言のごとくぶつぶつ言って、納戸の隅の方をかさかさごそりごそりと遣る。
「可いから、可いから。」といって、しばらくすると膝を立直した気勢がした。
「近所の静まるまで、もうちっと灯を点けないでおけよ。」
「へい。」
「覗くと煩いや。」
「それでは蚊帳を釣って進ぜましょ。」
「何、おいら、直ぐ出掛けようかとも思ってるんだ。」
「可いようにさっしゃりませ。」
「ああ、それから待ちねえこうだと、今に一人此家へ尋ねて来るものがあるんだから、頼むぜ。」
「お友達かね。お前様は物事じゃで可いけれど、お前様のような方のお附合なさる人は、から、入ってしばらくでも居られます所じゃあござりませぬが。」
言いも終らず、快活に、
「気扱いがいる奴じゃねえ、汚え婦人よ。」
「おや!」と頓興にいった、婆の声の下にくすくすと笑うのが聞える。
「婆ちゃん、おくんな。」と店先で小児の声、繰返して、
「おくんな。」
「おい。」
「静に………」