Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねずみざか

鼠坂

森 鴎外

Leggi 鼠坂 (ねずみざか) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7781 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

「今一つの肉は好いが、営口に来て酔った晩に話した、あの事件は凄いぜ。」こう云って、女房の方をちょいと見た。

上さんは薄い脣の間から、黄ばんだ歯を出して微笑んだ。「本当に小川さんは、優しい顔はしていても悪党だわねえ。」小川と云うのは記者の名である。

小川は急所を突かれたとでも云うような様子で、今まで元気の好かったのに似ず、しょげ返って、饌の上の杯を手に取ったのさえ、てれ隠しではないかと思われた。

「あら。それはもう冷えているわ。熱いのになさいよ。」上さんは横から小川の顔を覗くようにしてこう云って、女中の置いて行った銚子を取り上げた。

小川は冷えた酒を汁椀の中へ明けて、上さんの注ぐ酒を受けた。

酒を注ぎながら、上さんは甘ったるい調子で云った、「でも営口で内に置いていた、あの子には、小川さんもわなかったわね。」

「名古屋ものには小川君にも負けない奴がいるよ。」主人が傍から口を挟んだ。

やはり小川の顔を横から覗くようにして、上さんが云った。「なかなか別品だったわねえ。それに肌が好くって。」

この時通訳あがりが突然大声をして云った。「その凄い話と云うのを、僕は聞きたいなあ。