Classici giapponesi con furigana
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はなのひょうげん
鼻の表現
夢野 久作
Leggi 鼻の表現 (はなのひょうげん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.303 caratteri · 141 schermate
相手も又無意識のまま感応に相当する意志や感情を動かしてその鼻に表現しているのであります。
この点に気付かない人が多いのと同比例に、世の中の事が思い通りに行かぬ人が多いらしいのであります。そうしてそこに鼻の表現の使命が遺憾なく裏書きされているのであります。
「おれがこんなにお百度を踏むのに、彼奴は何だって賛成しないのだろう」
「妾がこれだけ口説いているのに、あの旦突は何故身請してくれないのだろう」
「親仁はどうして僕を信用してくれないんだろう」
「彼奴威かしても知らん顔していやがる」
なぞよく承わる事でありますが、これはさも有るべき事で、御本人の誠意が無い限り鼻が決してその誠意を裏書きしてくれないからであります。お向う様を怨むよりお手前の鼻に文句をつけた方が早わかりかも知れませぬ。このほか……
「親仁は癪に障るけど、おふくろが可哀相だから帰って来た」
という意気地無しの土性骨。
「奥様がおかわいそう」
という居候のねらい処。
「一ひねりだぞ」
と睨む空威張。
「会いとうて会いとうて」
という空涙。いずれもすっかり鼻に現われて相手の反感を買っているのであります。
しかもこうした鼻の表現の影響は単に差し向いの場合に限られたものではありませぬ。