Classici giapponesi con furigana
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エムこ
M子
宮本 百合子
Leggi M子 (エムこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2403 caratteri · 5 schermate
M子の好い処はその生一本の気持にある。
私より身なりの大きいM子が重そうな髪をうつむけながら低い声で何か相談をしかける様子を今も思うのである。
M子の彼の良い性質は此度の生活状態の変化にも失われる様な事は有るまいとは思う。
そうは思いながら私の心には云いがたい一種の不安が満ち満ちて居る。
私は或程度まで低級な人達の間に入って苦痛なしに彼の人が暮せるかどうかと云う事である。
ああ云う性質の人が甚しい苦痛を受けた時ほど情ないものはない。
只自分を意味もなく卑下する事ばっかりを教え込まれるものである。
只むやみと卑下する人の心を思うと私は何だか変な気持になる。
そう云う心が二人の中に溝を掘りはすまいかと不安がるのである。
私の親しい只一人の友達が止を得ぬ事からその名を呼びずてにされて他人の用を足さなければならない境遇にあるかと思うと、涙もこぼれないまでに切ない。
私はどうあってもM子の心を慰めてやらなければならない。
長い間の親しい友達として私は只手を束ねて傍観する事は出来ない事である。
親しい友達と云うものの心をつくづく考えて見れば、なまなかの兄弟よりもたのもしいものである。