Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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エスみさきせいようふじんこうさつじけん

S岬西洋婦人絞殺事件

夢野 久作

Leggi S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.951 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

女ってえものはヤッパリ魔者なんで……ヘヘヘ……。

何も盗らずに逃出しました理由は、ほかでも御座いませぬ。あの女毛唐を片付けてホッとしておりますうちに、波の音一つ聞こえない位シインとなっている硝子窓の外の暗の中で、微かに草履を引ずるような音がゾロゾロッと聞こえたのです。私は思わずハッと固くなってしまいました。生れて初めて人を殺しましたので気持がどうかなっていたので御座いましょう。何だか知りませんが恐ろしく周章ててしまいました。大急ぎで天井裏の親子電球を引っぱり消して、垂れていた窓掛をマクリ上げて、硝子窓にオデコを押付けて(註=この硝子窓に押付けられた額の肌紋は、犬田博士も見落していた)眼を定めておりますと、思いがけない一人の大きな人間の姿が、眼の前の白壁の前を横切って、小使部屋の入口の方へ参りましたが、その時にその人間がタッタ今、普通の人間の二倍ぐらい麻酔を噛ませて来た小使の白髪爺さんに相違ない事がわかりました時には、頭からゾーッと水を浴びせられたような気持になりました。しかもその白髪爺さんは、もう一度入口から出て来て、白壁の前を通抜けるのを見ますと、何だか白く光る刃物のようなものを……コンナ風に……逆手に持っているようで……そいつが真正面を見詰めたまま反り身になって、解けかかった帯をダラリと背後に引ずり