Classici giapponesi con furigana
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エスみさきせいようふじんこうさつじけん
S岬西洋婦人絞殺事件
夢野 久作
Leggi S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.951 caratteri · 52 schermate
ながら、神主さんみたいな足取りで、スウスウと真暗な松原の中へ曲り込んで行くようです。それを見ますと私はイヨイヨ恐ろしくてたまらなくなりましたので、女毛唐の死骸をホッタラかしたまま、後退りをして玄関の外へ出ましたが、それから無我夢中であの岩山の上に駈登って、ボートの処へ降りようと致しますと、直ぐ近くの草原の中から不意に『ゴオリゴオリ』という鼾の音が聞こえました時には、流石の私も肝ッ玉が飛上りました。モウ少しで気絶するところで御座いました。直ぐに草の中に身を伏せて、闇に狃れた眼でよく見ますと、それはヤッパリ最前、麻酔させたばっかりの白髪頭の小使爺に相違御座いませぬ。逆手に持っていた刃物と見えたのは、白い瀬戸の燗瓶だった事までわかりましたが、もう引返すだけの勇気はありませんでした。それから一生懸命でボートを漕いで、海のマン中あたりまで来たと思ってホッとした時に、やっと髪毛がザワザワザワと逆立て、歯の根がガタガタいい初めたような事で……あの時のように恐ろしかった事は全く、生れて初めてで、あの仕事ばっかりは最初から終いまで、魔がさし通していたような気がします。