Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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エスみさきせいようふじんこうさつじけん

S岬西洋婦人絞殺事件

夢野 久作

Leggi S岬西洋婦人絞殺事件 (エスみさきせいようふじんこうさつじけん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.951 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

しかし私が、あの爺さんに麻酔をかけた事が、どうしてお解りになったのか、どうも不思議で御座います。この麻酔の一件さえわからなければ、滅多に私と星を刺される気づかいはないと思って、出来るだけの用心をしていたつもりで御座いましたが……散らかるといけませんから脱脂綿の代りに、あの爺さんの古手拭を使いましたし、爺さんの寝姿は酔払って寝ているとしか思えませんでしたし、薬瓶は二つとも途中の海の上で棄ててしまいましたし、アトから本人が思い出す気づかいは尚更ありませぬ筈なのに、まるで現場で見ておいでになったようなお話で……」

と眼をパチクリさせていたという。但、音吉がソレ程に巧妙な麻酔薬の使用法をどこで修得したか。如何なる手段で薬品を手に入れていたか……という事実は、遺憾ながら聞落した。当時のR署員は悉く転任してしまっているし、犬田博士も物故している今日、筆者としては再び探り出す便宜がないようである。

東作老人はまだ生きている。どこか単純な、愚鈍な性格を持っているらしく、九十幾歳の高齢でありながら、娘夫婦が諫めるのも聞かずに、R市の某病院の炊事夫をつとめている事が、この間、ちょっとした新聞記事に出ていた。