Classici giapponesi con furigana
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あすなろう
あすなろう
山本 周五郎
Leggi あすなろう di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.925 caratteri · 41 schermate
ことがなかったが、現に中気にもならず胃を病んで死んだよ」
「するとおめえも、中気になる年まで生きてるつもりか」
「百までもな」と若いほうはやり返した、「生きられるだけ生きてたのしむつもりさ、たのしく生きる法を知ってる者には、この世は極楽だぜ」
「人を泣かして、てめえだけ極楽か」
「あにいは知らねえ、女ってものは泣くのもたのしみのうちなんだ」と若いほうは云った、「――おらあこれまでに、そうさ、十五人ばかり女をものにし、たのしむだけたのしんでから売りとばした、おかしなことに、どの一人とも夫婦約束はしなかった、夫婦にゃあならねえと初めから断わったもんだ」
この店の広い土間には、差向いに六人掛けられる飯台が三つ、四人で掛けるのが三つ、左右の壁に添って、片方だけに七八人掛けられるのが二つあった。――いま忙しい時がひとさかり過ぎたところで、この二人のほかに、三人組と二人組の客があり、べつの飯台に百姓ふうの男が一人いた。その男はもう半刻以上にもなるのに、突出しの小皿を前に置いたきり、一本の酒を舐めるように、大事に啜りながら、ときどき松あにいと呼ばれる