Classici giapponesi con furigana
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あだこ
あだこ
山本 周五郎
Leggi あだこ di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.762 caratteri · 46 schermate
「まあ、聞いていらっしゃらなかったんですね」とあだこはにらんだ、「津軽の弘前です。弘前の殿さまのお別荘が唐内坂にあるんですわ、口では云えないほど景色のいいところで、唐の国にもないだろうというので、からない坂って名を付けたのですって」
「わかった」と彼は頷いた、「しかしその別殿の庭でなくっても、鼬ならこの江戸にもいるよ」
「夫婦の鼬がですか」
「それはわからないが、仔を生むんだから夫婦もいるんだろう」
「でもその鼬は三十年の余も、夫婦で仲よくくらしていたんです」
「ふん」彼は火桶へ手をかざした、「そんなことがどうしてわかるんだ」
「それはおどさまが、父がずっと見ていたからです」とあだこは針を留めて云った、「子供のじぶんから見ていて、三十年の余も経って、そうすると、夫婦ともすっかりとしよりになってしまったんですって」
「鼬もとしよりになるんだな」
「そでしてす」あだこは続けた、「すっかりとしよりになったもんで、男の鼬は頭が禿げてしまうし、女の鼬は髪が白髪になってしまったんですって」
半三郎はあだこを見た、「あだこの父親はその御殿にいたのか」
「はい」と彼女は答えた、「じいさまの代からお庭番をしていました」