Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あまりもの

あまり者

徳永 直

Leggi あまり者 (あまりもの) di 徳永 直 (とくながすなお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8421 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

父に肥後守やマッチを取り上げられて、

「まだこの後も悪いことをするか?」

と父に言われてもおし黙っていた。

「悪かったとあやまれ、え、兵どん、あやまれ!」

母はうろうろしながら、しきりと強情な兵さんにあやまる事を勧めたのだった。

それ以来、四五日は兵さんも私も外出を禁ぜられた。四郎次と次郎とは兵さんの姿を見ると遠くから逃げだした。兵さんは無論復讎する心算らしかった。

母はなるべく兵さんと一緒には私を遊ばせない様にした。

その頃になって、又ひょっこり兵さんの母、お近婆さんが何処からともなく此の村へ帰って来た。私の母はすぐ兵さんをお近婆さんの許に返してやった。それで私と兵さんが一緒に遊ぶことも、あまりなくなった。その後兵さんはある百姓家に奉公へやられたのだった。

日露戦争後の不景気がやって来た頃、私の家では残飯売りを止めたのだった。そして日傭稼ぎを止した父は日露戦争に従軍したので一時金百五十円で馬を買って荷馬車挽きを始めた。村の百姓家も穀価の多少の下落はあったが蚕業と煙草の栽培が盛んになったので依然勤倹貯蓄という風が奨励されて、小作人が半自作農になる位の順調さがあった。