Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あまりもの

あまり者

徳永 直

Leggi あまり者 (あまりもの) di 徳永 直 (とくながすなお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8421 caratteri · 17 schermate

Aozora Bunko

然し兵さんは、村の娘ッ子も立ちまじって見物している此の場で、自分の名を称ばれた事が、彼の黒い顔をポッと赤くさした程、うれしいことだった。

「ナァニ、お前ならやれるよ、やれやれ」

若い連中は煽てた。煽てる内心には、兵をひどい目に合わせて嘲笑してやるつもりである。それは自分たちが悧巧である事と、兵は自分達とは全然区別された別種の劣った人間である事を示すためには、いい機会だったのである。

「サァ、サァ」

傍にいた若いものは、兵さんを、真中へ押し出した。

兵さんは、従来の兵さんに見たことのないほどの善良さを現わしながらドギマギした。

「やれ、やらないと青年団から除名するぞ」

今来たらしい四郎次が、冷笑を泛べながら言った。大人ぶった四郎次の顔を見ると、兵さんは一寸頭を下げた。四郎次は青年団の幹事である。

兵さんは、皆のからかい半分の冷笑のなかに、着物を脱ぐと、件の二十貫以上もある大石をゆすって見たが、さすがに自信がないらしかった。それを見ると若い連中は、尚さら、おだてたり、からかったり、脅迫したりした。私は癪にさわって仕様がなかった。「やめろ、やめろ兵さん」と呼んでみたが、兵さんは決心したらしく、ウンと気張ると、膝の上まで持ち上げた。