Classici giapponesi con furigana
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あめんちあ
あめんちあ
富ノ沢 麟太郎
Leggi あめんちあ di 富ノ沢 麟太郎 (とみのさわりんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.594 caratteri · 83 schermate
悲しんでなどはいまい、そんなことなどはあり得るものか。
気儘勝手に自由な跳躍を恣にするにいい雨ではないか。
お前の見えない脚で何にもかも蹴散らしてくれ、思うさま叫んでくれ! 虚空さえ掴み損ねて呻吟しているおれのために!……――そうして彼は彼自身の心臓を虚空へ掴み出して投げ捨てたかのように藻掻いた。
その投げ捨てられた心臓は、赤く燃え廻ってその真赤な尾を打ちふりながら部屋じゅうを跳んで廻っているかのようであった。
そうして彼自身の周囲に取り散らかされているものみなは、紙と言わず書物と言わず狂い廻る彼自身の心臓の跳梁のためあらゆる存在を嘲けるかのように飛び散った。
そうしてそこには散乱したる誠実がすばやく眠りから醒めて嘲り笑っていた。
その翌朝、彼は飛び散った紙片の下敷のなかに短かい眠りを醒した。
この日は日曜日であった。
昨夜の雨はその夜のことを忘れたかのように晴れ上っていた。
彼は綿密な注意を配りながら部屋のなかを見廻した。
そうして今や彼は荷造りでもはじめようとするかのようにしかも手荒に行李をかたづけ、押入のなかへしまい込んだ。
そうして彼は路地の入口の店へ煙草を買いに行くついでに、街路の様子を窺ってみた。