Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるひのれんげつに

ある日の蓮月尼

岡本 かの子

Leggi ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.878 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

どうもその間に矛盾があるように思われるのです。

蓮月 ――あなたは働くということを目的の為めと思ってお出でになる。それでその不審があるのです。わたくしのは違います。わたくしのは働くというその事が生存の自然なのです。何々の為に働くとか、何々なるが故に働かなくてはいけないという理屈は無いのです。働かないよりは働いている方がより自然だからそうやって居る迄なのです。

亀田 ――それで世捨人なのでしょうか。

蓮月 ――あなたは世を捨てた事はおありにならないし、またそうせよとお勧めするわけではありませんが、実際体験の上から申すと、世を捨てる程この世の中で働き宜くもなるし、また働きも出来るのです。なぜといえば働いてもその効果を考えないから打算から切り放されて自由だし、強られる義務が無いから却て身軽に動けます。本当に働く為めに働く純粋の心持ちを得られるのです。然しこう説明すれば、それはもう世捨人の働きに効能書が付いてうるさくなります。事実は世の中をあきらめると、何だか自分で自分がお可笑いくらい働き出し、而もそれを働いて居るとも感じないのです。

亀田 ――そう働けばあなたと親御さんお二人お暮しになる以上金が取れるでしょう。