Classici giapponesi con furigana
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あるひのれんげつに
ある日の蓮月尼
岡本 かの子
Leggi ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.878 caratteri · 25 schermate
双方すれ違う。鉄斎は主人の士を振り返っていぶかしき面持ち、然し直ぐに態度を取り戻し柴折戸の前に立ちどまる。)
鉄斎 ――(亀田に)いいか、さっきも云ったように、尼さんは月並な訪問や無駄咄しが大嫌いなのだから、決して口を利いてはならんぞ。万事俺がうまく取り計らうから。
亀田 ――それは大丈夫だ。俺はただむこうが有名な蓮月尼である。それを見さえすれば宜いつもりだ。
鉄斎 ――その有名扱いがまた尼さんの嫌いの随一と来て居る。尼さんは世間から名士扱いにされるのを五月蠅がって、宿がえ蓮月と云われるほど宿がえを致した位だからその名士見物の素振りをちらっとも見せてはならんぞ。
亀田 ――なかなかきびしいな。まあ万事貴君の指揮に任せる。
(鉄斎、おずおず柴折戸を開け亀田を伴い内に入る。蓮月はやはり土間の轆轤台の前に坐って居て工作に余念も無い。)
鉄斎 ――今日は――お仕事ですか。
蓮月 ――…………。
鉄斎 ――お仕事に御念が入りますな。
(蓮月、振り向かずその儘口を利く。)
蓮月 ――どなたですか。
鉄斎 ――わたくしです。鉄斎です。
蓮月 ――鉄斎さんですか。勉強が忙しいでしょうに、わざわざ何の用ですか。