Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いたずらこぞうにっき

いたずら小僧日記

佐々木 邦

Leggi いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.226 caratteri · 128 schermate

Aozora Bunko

若し巡査が止めなかったら、或は打撲ったかも知れない。乃公は真正に損をしてしまった。

ナイヤガラにいる間は最早一秒時も乃公の傍を離れられない、此では苦労を求めに旅行をしたようなものだとお母さんが愚痴を零した。お母さんは膠のように乃公に粘着いている。少しも目を離さない。乃公は真正に弱ってしまった。

翌日は歌さんへのお土産を買ったりして、乃公達は山羊の島を見に行った。名は山羊の島でも、山羊なんか一疋もいやしない。けれども此辺の流の急なのには実に一驚を喫した。見ていても目が眩むようだ。早く早くと水と水とが押合う為めか、水面に一種の燐光が漂って物凄い。急に寒くなった。お母さんは乃公を確乎と捉えている。何程無鉄砲でも、此んな処へ飛び込むものか。飛び込みはしないが、水の速力を計る為めに、ハンカチを投込んで見た。

ところへ何処かの奥さんが来て、お母さんと談話を始めた。やはり見物に来たんだ。御大層な風をしている。狆を抱いている。此狆の胸掛は百合子さんのリボンと同じ品質だと思いながら、乃公は狆の目を突付いてやった。

「笑いませんか」

と奥さんが振返った。チンは嚏をするかも知れないが、笑って堪るものか。