Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いたずらこぞうにっき

いたずら小僧日記

佐々木 邦

Leggi いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.226 caratteri · 128 schermate

Aozora Bunko

「ねえ、春子さん、たった半年の事だから、あなたも機嫌好く待って下さい、ね。秋になれば下条さんの病院で若手が一人要る。最早概略約束が出来ていますから、然うなれば患者も今よりは豊と殖えます。もう僅か半年、六箇月です。ね、待って下さい。春子さん」

確かにドクトルの声だけれど、一体何を待つのだろう。

「そりゃ貴下さえ其積りで確乎していて下さるなら、私は何年でもお待ち申しますわ」

とお春姉さんが答えた。そして二人は何かクスクス笑い出した。何が那に可笑しいのだ。此方の方が余っ程可笑しいけれど、尚お息を殺して聴いていると、

「けれどもね、春子さん、是は極く秘密にして置きましょうねえ。秘密は最良の政略です」

「無論私も其積りよ」

とお春さんが答えたか答えないに、何人か表から戸をコツコツと叩いた。すると姉さんは電気にでも打たれたように飛立ち、森川さんも人真似子真似で、ボールのように飛上って、二人はテーブルを距てて端然と向合に坐って、「お入りなさい」どうも種々な芸当をする奴等だ。

殆んど其と同時に戸が開いて、大勢ドヤドヤ入って来た。お母さんが先立になって、これは失礼、太郎は此処へは参りませんでしたかと訊く。