Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いたずらこぞうにっき

いたずら小僧日記

佐々木 邦

Leggi いたずら小僧日記 (いたずらこぞうにっき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.226 caratteri · 128 schermate

Aozora Bunko

晩飯を喰べながらお春さんの事を考えたら気の毒になって、六杯しか喉へ通らなかった。一つ森川さんの家へ談判に出掛けようと思ったが、間宮の野郎が玄関払いを喰わせるに定っていると気が付いた。けれども兎に角お島に断って、乃公は家を出た。

乃公は量見があるから大急ぎで歩いた。そして十分間の後には富子さんの家の呼鈴を破れるくらい鳴らしていた。

下女が出て来て乃公の顔を見て笑った。失敬な奴だ。けれども今日は此んな女に係っていられないから、富子さんに用があると言った。

「おや、太郎さんですか」

と富子さんが驚いた。其様に驚くには当るまい。北極探検から帰って来たのじゃあるまいし。

「森川さんはいませんか」

「左様ね……今晩は未だお見えになりませんよ」

と曖昧な返事をする。

「いなけりゃいなくても宜いんですが、僕は森川さんを裁判所へ訴える積りですから、左様言って置いて被下。猫が薬瓶を転覆したくらいで、御婚礼をしないなんて法があるもんか。それは姉さんの笑ったのは無論姉さんが悪い。悪いけれども彼の子はヒステリーですよ。ヒステリーは何でも笑います。若し姉さんが死んだら如何しますか。