Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いちょうのみ

いちょうの実

宮沢 賢治

Leggi いちょうの実 (いちょうのみ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.

N4 · base · kanji e kana moderni · 2646 caratteri · 6 schermate

Aozora Bunko

はだしでいこう。」

「そんならぼくのとかえよう。ぼくのはすこし大きいんだよ。」

「かえよう。あ、ちょうどいいぜ。ありがとう。」

「わたしこまってしまうわ、おっかさんにもらった新しい外套が見えないんですもの。」

「はやくおさがしなさいよ。どのえだにおいたの。」

「わすれてしまったわ。」

「こまったわね。これからひじょうに寒いんでしょう。どうしても見つけないといけなくってよ。」

「そら、ね。いいぱんだろう。ほしぶどうがちょっと顔をだしてるだろう。はやくかばんへ入れたまえ。もうお日さまがおでましになるよ。」

「ありがとう。じゃもらうよ。ありがとう。いっしょにいこうね。」

「こまったわ、わたし、どうしてもないわ。ほんとうにわたしどうしましょう。」

「わたしとふたりでいきましょうよ。わたしのをときどきかしてあげるわ。こごえたらいっしょに死にましょうよ。」

東の空が白くもえ、ユラリユラリとゆれはじめました。おっかさんの木はまるで死んだようになってじっと立っています。

とつぜん光のたばが黄金の矢のように一度にとんできました。子どもらはまるでとびあがるくらいかがやきました。

北から氷のようにつめたいすきとおった風がゴーッとふいてきました。