Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うすゆきしょう
うすゆき抄
久生 十蘭
Leggi うすゆき抄 (うすゆきしょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.454 caratteri · 59 schermate
貧苦に憔れたざまをして、塀の外を通るさえ勘弁ならぬというのに、妹の部屋を見上げるなどは僭越至極。さっそく上の谷戸へ行き、出居の敷莚に、肱枕でひだるそうにうたた寝をしているのをひき起し、言われたとおりの口上を述べると、大炊介という貧郷士は、これは異なことをうけたまわるものかな。この一月、なにかけだるく、一度も府中へ下りたことがないから、邸のそばなどを通りようがない。なにかのおまちがいだろうと白を切る。私も腹をたて、ないどころの話か、妹は貴様の貧相が眼について患いをひきおこし、死ぬほどに悩んでいる。貴様が妹の夢の中へかぶって出てくる南蛮頬とは、これこのようなものだと叩きつけてやると、そやつはニヤリと薄笑って、なるほどよくわかりました。そういうことであれば、かならずお言葉に従いますから、その旨しかと道益殿のご息女にお伝えください。この面甲は、お土産だと思っていただいておきますと、むさんに小狩衣の袖のなかへたくしこんだが、そのざまの鄙しげなこと、眼もあてられぬほどだった。
道益は半眼になって聞いていたが、
「お前がその夢の話をすると、先方はニヤリと笑って、お言葉どおりにするといったのだな」