Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うすゆきしょう

うすゆき抄

久生 十蘭

Leggi うすゆき抄 (うすゆきしょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.454 caratteri · 59 schermate

Aozora Bunko

と切りだした。

「みなも知っていよう。信濃の武田四郎勝頼が、穴山梅雪との契約をふいにして、娘を信豊にやった紛れから、武田と穴山が不和になり、来年の正月匆々、勝頼父子は諏訪の上原あたりへ押出す。相模、関東はいまや大乱に及ぶ形勢になっているが、北条の親子はもとより、織田方も徳川もいっこうにお気がつかされぬ。それで、この先月の船で届いたモスケッタ銃だが、火繩をあちこちさせる種ヶ島流とちがい、燧石を使った引落しの式になっている。当座の百梃は、いずれ武田と北条に半々くらいにおさまることになろうが、売物のことだから、いちどよく射ちためしてみたい。ついでのことに、猪狩りでもやらかしたらと思いついた。狩場はほかの場所でもない。山邸の上の谷戸にきめたが」

すると、赤目爛れのすさまじいのが膝を進めて、

「その猪狩なら、われわれもねがうところ。目当ての猪というのは、貧乏烏帽子に、布直衣を着た痩猪でござろうが」

道益は首をひねって、

「はてな、そんな猪が入谷津にいるとは知らなんだ。大方、道六神の化けたのでもあろうか。べつに目当てというほどのものはない。猪えらびは、お前らに任せよう。