Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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「うどんくい」

「うどんくい」

宮本 百合子

Leggi 「うどんくい」 di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2478 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

国民食の研究資料として、主婦たちの声をとりあつめるのも、隣組の回覧板と一緒に出来ないことでもなかりそうに思える。防犯隣組は出来ても、そういう活動は気づかれていないところに、考えるべきものがあると思われる。

『婦人之友』の調査で、うどんがたべたいものの最下位にあるのも実際を映している。そんなに、この頃はうどん、うどんなのだが、そのうどんに絡んで人情の機微が動く姿も可笑しく悲しい。

或る小学校に三人の女先生がいた。ずっと仲よしで、今年は一人の先生が五年を、もう一人の先生は一年のうけもちに代った。一人は唱歌の先生である。三人は毎日そろってひけてかえる。その位の親友であった。ある日、授業が終ってこれから礼というとき、さっとドアがあいて、一年の先生が首をのぞけた。

「もう授業すんだんでしょう?」

「ええ」

「じゃ、一寸御免なさい」

すっと教室へ入って来て、生徒の一人である乾物屋の娘に何か書いたものを渡した。こちらからその光景を眺め、受持の先生も、家へかえれば主婦なのだからそのかんで、ハハア玉子のことでもたのんでいるな、と察した。乾物屋の娘はもとその先生に習った子供であったから。