Classici giapponesi con furigana
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おおかみとひと
おおかみと人
小川 未明
Leggi おおかみと人 (おおかみとひと) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4224 caratteri · 9 schermate
真っ赤な夕日は、山に沈みかかって、ほんのりと余りの炎が雪の上を照らしていました。明日もまた天気とみえて雪の上はもはや幾分か堅くなって凍っています。その上を彼は、さくりさくりと朝きたときの路を歩いて、鼻唄をうたってきました。
西の方の山々は、幾重にも遠く連なっていて、そのとがった巓が、うす紅い雲一つない空にそびえていました。まったく、あたりはしんとして、なんの声もなかったのです。
与助は、だんだん酒の酔いもさめてまいりました。そして、一刻も早く村に帰ろうと思いました。このとき、かなたの森の方で、オーオというおおかみの鳴き声を聞きました。彼は、それを聞くと、ぞっとしました。
まだ村の火は見えないか、早く村に入りたいものだ、もしおおかみに見つかったら、食われてしまうだろうと思って、いっしょうけんめいに歩き出しました。そして、後方を振り返ってみますと、真っ黒な大きなものが、雪を砕いて、こっちにだんだんと迫ってくるのでありました。
与助は、足がすくんでしまいました。そして、もう一歩も動くことができなかったほど、おそれを覚えたのであります。彼は自分の命は助からないものだと思いました。