Classici giapponesi con furigana
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おせん
おせん
邦枝 完二
Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate
ていることとて、その影は決して濃いものではなかった。が、年は若いし、芸は達者であるところから、作者の中村重助が頻りに肩を入れて、何か目先の変った狂言を、出させてやりたいとの心であろう。近頃春信の画で一層の評判を取った笠森おせんを仕組んで、一番当てさせようと、松江が春信と懇意なのを幸い、善は急げと、早速きのうここへ訪ねさせての、きょうであった。
「太夫、お待遠さまでござんしょうが、どうかこちらへおいでなすって、お茶でも召上って、お待ちなすっておくんなまし」
藤吉にも、何んで師匠が堺屋を待たせるのか、一向合点がいかなかったが、張り詰めていた気持が急に緩んだように、しょんぼりと池を見詰めて立っている後姿を見ると、こういって声をかけずにはいられなかった。
「へえ、おおきに。――」
「太夫は、おせんちゃんには、まだお会いなすったことがないんでござんすか」
「へえ、笠森様のお見世では、お茶を戴いたことがおますが、先様は、何を知ってではござりますまい。――したが若衆さん。おせんさんは、もはやお見えではおますまいかな」
「つい今し方。――」
「では何か、絵でも習うていやはるのでは。