Classici giapponesi con furigana
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おせん
おせん
邦枝 完二
Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate
おはもじながらここもとは、そもじ思うて首ッたけ、烏の鳴かぬ日はあれど、そもじ見ぬ日は寝も寝つかれぬ。雪駄ちゃらちゃら横眼で見れば、咲いた桜か芙蓉の花か、さても見事な富士びたえ。――さッさ買いなよ買わしゃんせ。土平自慢の人参飴じゃ。遠慮は無用じゃ。買わしゃんせ。買っておせんに惚れしゃんせ」
手振りまでまじえての土平の唄は、月の光が冴えるにつれて、愈益々面白く、子供ばかりか、ぐるりと周囲に垣を作った大方は、通りがかりの、大人の見物で一杯であった。
「はッはッはッ。これが噂の高い土平だの。いやもう感心感心。この咽では、文字太夫も跣足だて」
「それはもう御隠居様。滅法名代の土平でござんす。これ程のいい声は、鉦と太鼓で探しても、滅多にあるものではござんせぬ」
「御隠居は、土平の声を、始めてお聞きなすったのかい」
「左様」
「これはまた迂濶千万。飴売土平は、近頃江戸の名物でげすぜ」
「いや、噂はかねて聞いておったが、眼で見たのは今が初めて。まことにはや。面目次第もござりませぬて」
「はははは。お前様は、おなじ名代なら、やっぱりおせんの方が、御贔屓でげしょう」
「決して左様な訳では。