Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おれのにょうぼう

おれの女房

山本 周五郎

Leggi おれの女房 (おれのにょうぼう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.296 caratteri · 46 schermate

Aozora Bunko

禅寺へ入ったこともございます、雲水になって乞食も致しました、京から奈良、加賀、信濃から甲斐というぐあいにわたり歩いたものです」

日にやけたばかりではない、全体にがっちりと逞しくなり、顔つきも明るく、押しても突いても動かない重厚な力感にあふれていた。――盃を交わしながら、ひとわたり放浪ちゅうの話が済むと、加平はふと改まった眼つきで、

「それで、これからいったい、どうなさるおつもりですか」

「絵を描いてまいります」又五郎は冴えた顔つきで答えた。「――まずあの六曲一双を描きあげたいと思いまして」

「結構ですな、ぜひ描いて頂きましょう」

「それからごらんのとおりのありさまなので、いつかのお話の寮と、描きあげるまでのお世話を願いたいのですが」

「ようございますとも、すぐその支度をさせましょう、――だがそうするとなんですな、旅でなにかいい収穫があったのでございますな」

又五郎は眼を伏せた。それから静かな調子で、一語ずつ区切りながら云った。

「私は御家人の三男に生れ、絵が好きで、狩野家へ門人にはいり、寝ても醒めても絵のことばかり考えて育ちました、絵を描くということは、ほかのどんな仕事よりも尊く高い意義がある、そう信じておりました、――しかしこんど世の中へ出て、躯ひとつで生きてみて、人足をし百姓のてつだいをし、旅籠の飯炊きなどをし