Classici giapponesi con furigana
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おりつとこらと
お律と子等と
Leggi お律と子等と (おりつとこらと) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.195 caratteri · 51 schermate
」
そう云う兄の声の下から、洋一は兄にかぶりついた。兄は彼に比べると、遥に体も大きかった。しかし彼は兄よりもがむしゃらな所に強味があった。二人はしばらく獣のように、撲ったり撲られたりし合っていた。
その騒ぎを聞いた母は、慌ててその座敷へはいって来た。
「何をするんです? お前たちは。」
母の声を聞くか聞かない内に、洋一はもう泣き出していた。が、兄は眼を伏せたまま、むっつり佇んでいるだけだった。
「慎太郎。お前は兄さんじゃないか? 弟を相手に喧嘩なんぞして、何がお前は面白いんだえ?」
母にこう叱られると、兄はさすがに震え声だったが、それでも突かかるように返事をした。
「洋一が悪いんです。さきに僕の顔へトランプを叩きつけたんだもの。」
「嘘つき。兄さんがさきに撲ったんだい。」
洋一は一生懸命に泣き声で兄に反対した。
「ずるをしたのも兄さんだい。」
「何。」
兄はまた擬勢を見せて、一足彼の方へ進もうとした。
「それだから喧嘩になるんじゃないか? 一体お前が年嵩な癖に勘弁してやらないのが悪いんです。」
母は洋一をかばいながら、小突くように兄を引き離した。すると兄の眼の色が、急に無気味なほど険しくなった。