Classici giapponesi con furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Leggi ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 164.113 caratteri · 332 schermate
「僕に数理の観念がないとは聞き捨てにならないね。何か証拠があるのかい?」
とお父さんは不服を唱えた。
「あるさ。君は数理どころか数そのものゝ読み方さえ怪しいぜ。御希望ならこの場で証明して上げても宜い」
と団さんは確信のあるように言った。
「参考のため一つ願いたいもんだね」
「お安い御用さ。それじゃ、村岡君、十万円が十で何円だい?」
「百万円さ」
「百万円が十なら?」
「千万円さ。人を馬鹿にするなよ」
「千万円が十では?」
「一億万円さ」
「夫れ見給え」
「何だい? 千万円が十なら一億万円に相違ないじゃないか?」
「億万という単位はないよ」
「ふむ、一億円か? 占まったな! 一寸言い間違えたんだ」
「否、君は何時でも然う言っている。誤魔化しても駄目だ」
「僕に方角の観念がないという証拠があるなら見せて貰おうか?」
と三輪さんも団さんの手の明くのを待っていて苦情を持ち込んだ。誰でも自分のことは分らないと見える。
「君のは村岡君のよりも更に甚だしいぜ。君は去年の正月僕の家へ来てからその後一度も顔を見せないね?」
「そうさ。しかしそれは此処で度々会うからで、お互いじゃないか?」
「そんなことを訊いているのじゃない。