Classici giapponesi con furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Leggi ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 164.113 caratteri · 332 schermate
渡辺さんが予め命じて置いて呉れたと見えて待つ間もなくお昼御飯になった。豚の角煮という奴から長崎料理を初めとして此処の名物の話に花が咲いた。渡辺さんは長崎カステラを葡萄牙の語源まで引用して推奨した。何処へ行っても堂々たる大人が食物の評論に力瘤を入れるのは可笑しい現象だ。
「何だか湿っぽくて僕等は余り感心しない」
と団さんが貶せば、
「彼処が好いのさ。そうしてジャリッと粗目が歯に当るところは何ともいえないと此処の人は言っている。東京のはパク/\していて宛然食パンのようだよ」
という調子だ。
「食パンは好いのがあるかね?」
とお父さんが訊いた。
「あるとも。居留地を控えているからパンはこの上なしだ」
「それじゃ一等国だね。僕の友人には食パンがその土地の文化の物差だと主張する男がある。この男の説によると人口一万以下の町には食パンが全然ないそうだ。即ち文化がないということになる。一二万の町のは酸っぱくて、二三万台で漸く形が出来、四五万から先ず食えるが、十万でないと真正のにはありつけないと悉皆統計を取っている。教員をして日本国中を流浪して歩くから精しいものさ。今は岡山にいるが、彼処は十万と号してその実七八万しかない証拠に上等の食パンは神戸から取り寄せると言っていたよ」