Classici giapponesi con furigana
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けむりをはかぬえんとつ
けむりを吐かぬ煙突
夢野 久作
Leggi けむりを吐かぬ煙突 (けむりをはかぬえんとつ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.836 caratteri · 28 schermate
併し最後にトウトウその手袋を脱がされた。そうして、見るからに外国製らしい銀色の十字型の短刀を夫人から渡されると、その冴切った刃尖を頭の上のシャンデリヤに向けながら、大笑いした自分の声を、今でもハッキリと記憶している。
「ハッハッハッハッハッ、これで自殺しろと云うんですか」
私は室の中央に突立ったまま何度も何度も舌なめずりをしていた。そのダラシのない姿が、寝台の上に寝そべっている夫人の姿と重なり合って、室の奥の大鏡にアリアリと映っていた。
「そうじゃないのよ。妾を殺して頂戴って云うのよ」
「……ハハハ……死にたいんですか」
「……ええ……死にたいの」
「……どうして……」
「……だって妾は破産しているんですもの」
「……ヘエ……ホントウですか」
「貴方に上げたのが妾の最後の財産よ。今夜が妾の楽しみのおしまいよ」
「……ウソ……ウソバッカリ……」
「嘘なもんですか。妾は一番おしまいに貴方の手にかかって殺されるつもりでいたのよ。そうして妾の秘密を洗い泄い貴方の筆にかけて頂いて、妾の罪深い生涯を弔って頂こうと思って、そればっかりを楽しみにしていたのよ」
「……アハハハハアハハハハ……」