Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
このにぎりめし
この握りめし
岸田 国士
Leggi この握りめし (このにぎりめし) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.649 caratteri · 27 schermate
この和島佐五郎という男は、前科こそないけれども、札つきのいかさま師で、政治と賭け事がなによりも性に合うと自分で言いふらし、事さえあれば顔役気取りで問題の納め役を買つて出るのだが、それには多少の金も使うところから部落での発言権はわりに大きかつた。
「なんだね、信濃屋さん、また心中じやあるまいな」
「心中でもなんでも、宿賃をきちんと払う客なら大いに歓迎するがね。当節、一と月あまりも只食いをされたんじや、商売はあがつたりだよ」
「そんな客がいたかね」
「それごらん、駐在さんの耳にだつてはいつとらんじやろう。これは、わしの腹ひとつで今まで我慢しとつた。相手が若い絵かきと来とるでね。昔、なんたらいう立派な絵かきが、貧乏しとる頃、ある宿屋に泊つて宿賃が払えんようになつた。主人が追い立てたあとで、なんと屏風に描きなぐつてあつた松の絵を、さる大名が見つけて千両で買いとつたつていう話を、わしは聞いとるでね」
「なるほど、信濃屋さんはさすがに抜け目がないな。宿賃の代りに絵を貰つとくつていう寸法だね」
「いや、いや、わしもちつとは書画骨董の眼は利かんわけじやないが、あの絵は、増田さん、油絵ちうやつだでな。