Classici giapponesi con furigana
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しじみがし
しじみ河岸
山本 周五郎
Leggi しじみ河岸 (しじみがし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.438 caratteri · 51 schermate
弥五は戸口を見て首を振り、「あっちへいって遊びな」と云った。律之助が見ると白痴の直次郎が戸口に立っていた。彼は律之助に笑いかけ、「あ、あ」といいながら、手に握っている菓子を見せた。
「旦那の仰しゃることはわかってます」と弥五は云った、「が、まあ聞いて下さい、私の十五のときのことですが、人に頼まれて賭場の見張りに立ったことがありました」
弥五は賭場の見張りとは知らなかった。小遣い銭が貰えるので、云われるとおり見張りに立ったのだが、手入れがあって、みんな逃げたあと、彼一人が捉まってしまった。それから目明しに責められた。
――きさまの親分の名を云え。
――賭場へ集まった者は誰と誰だ。
ちょうど賭博厳禁の布令の出たときであった。自分は知らずに頼まれたと云ったが、てんで信用しないし、拷問にかけると威され、恐ろしくなって、頼んだ男の名を告げ、その人に訊いてくれればわかると云った。するとその目明しは、――その男となにか利害関係があったらしい、――この野郎でたらめをぬかすな、といって殴りつけた。
「その目明しは云いました」と弥五は微笑した、「そういうことが云いたかったら、人のいないところで壁か羽目板にでも云うがいい、そうすれば痛いめにだけはあわずに済む、覚えておけってな、――まったくです」