Classici giapponesi con furigana
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しじみがし
しじみ河岸
山本 周五郎
Leggi しじみ河岸 (しじみがし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.438 caratteri · 51 schermate
「おれはまいったよ」と律之助はいった、「長屋の女房たちの露骨な敵意も、子供たちの悪童ぶりも、弥五の若いじぶんの話も相当なものだった、しかし、お絹が、――疲れた、といったときにはまいった」
「盃があいているぜ」
「あたしは疲れた、しんそこ疲れきってました、といわれたときには、おれは、――」と律之助は頭を垂れ、それから、低い声でいった、「お絹が罪を背負ったのはそれなんだ、親や弟が安楽に暮せる、卯之は死んだ、生きているはりあいがない、そういうことよりも、生きることに疲れきって、ただもう疲れることから逃げだしたいという気持で、――ああ、おれにはそれがよくわかった、おれはそのことだけでまいったよ」
「まいったのはもうわかった、盃を持てよ」
「まいったのがわかったって」
「盃を持ってくれ」と高木がいった、「まいったことはわかったから、もう一つのことを話してもらおう、――律さんはどうして、この事件を、そう熱心に再吟味する気になったのか、わけはあとで話すと、いつかいった筈だぜ」
「一杯ついでくれないか」
「重ねてやれよ」高木は酌をした。
「こうなんだ」
「もう一つ、ぐっとやれよ」