Classici giapponesi con furigana
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それから
それから
Leggi それから di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.794 caratteri · 347 schermate
彼は罪悪に就ても彼れ自身に特有な考を有っていた。けれども、それが為に、自然のままに振舞いさえすれば、罰を免かれ得るとは信じていなかった。人を斬ったものの受くる罰は、斬られた人の肉から出る血潮であると固く信じていた。迸しる血の色を見て、清い心の迷乱を引き起さないものはあるまいと感ずるからである。代助はそれ程神経の鋭どい男であった。だから顔の色を赤くした父を見た時、妙に不快になった。けれどもこの罪を二重に償うために、父の云う通りにしようと云う気は些とも起らなかった。彼は、一方に於て、自己の脳力に、非常な尊敬を払う男であったからである。
その時父は頗る熱した語気で、先ず自分の年を取っている事、子供の未来が心配になる事、子供に嫁を持たせるのは親の義務であると云う事、嫁の資格その他に就ては、本人よりも親の方が遥かに周到な注意を払っていると云う事、他の親切は、その当時にこそ余計な御世話に見えるが、後になると、もう一遍うるさく干渉して貰いたい時機が来るものであるという事を、非常に叮嚀に説いた。代助は慎重な態度で、聴いていた。けれども、父の言葉が切れた時も、依然として許諾の意を表さなかった。