Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
それから
それから
Leggi それから di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 172.794 caratteri · 347 schermate
当時の記憶が、闇を回る松明の如く輝いた。
「三千代を僕に周旋しようと云い出したものは君だ」
「貰いたいと云う意志を僕に打ち明けたものは君だ」
「それは僕だって忘れやしない。今に至るまで君の厚意を感謝している」
平岡はこう云って、しばらく冥想していた。
「二人で、夜上野を抜けて谷中へ下りる時だった。雨上りで谷中の下は道が悪かった。博物館の前から話しつづけて、あの橋の所まで来た時、君は僕の為に泣いてくれた」
代助は黙然としていた。
「僕はその時程朋友を難有いと思った事はない。嬉しくってその晩は少しも寐られなかった。月のある晩だったので、月の消えるまで起きていた」
「僕もあの時は愉快だった」と代助が夢の様に云った。それを平岡は打ち切る勢で遮った。――
「君は何だって、あの時僕の為に泣いてくれたのだ。なんだって、僕の為に三千代を周旋しようと盟ったのだ。今日の様な事を引き起す位なら、何故あの時、ふんと云ったなり放って置いてくれなかったのだ。僕は君からこれ程深刻な復讎を取られる程、君に向って悪い事をした覚がないじゃないか」
平岡は声を顫わした。代助の蒼い額に汗の珠が溜った。